Jev麻雀実験:牌効率は見えるが押し引きは一貫しない
2026年9月18日にlaiso氏が公開した実験では、公開牌譜1半荘・13局から156の打牌局面を切り出し、Jevに捨て牌を選ばせている。
入力された情報
Jevには次のような情報が渡された。
- 自分の手牌とツモ牌
- 全員の河
- 副露
- 点数
- 立直状況
- ドラ表示牌
- 局・自風・親・本場・供託
- 残り枚数と巡目
Choiceの候補は、現在切れる牌種である。赤5と通常5は区別されている。
シャンテン数や受け入れ枚数の評価は、Jevとは別の麻雀計算ライブラリで後から計算されている。
実際の打牌との一致
156局面中、
- Jevと実際の打ち手が一致: 60局面、38.5%
- Mortalと実際の打ち手が一致: 109局面、69.9%
だった。
これは人間の打牌を絶対的な正解とみなす指標ではないが、Mortalと比べるとJevの一致率はかなり低い。
シャンテン維持ではランダムを上回る
一方、Jevがシャンテン数を最小に保つ牌を選んだのは113/156局面、72.4%だった。
同じ候補から均等ランダムに選ぶ場合の期待値は48.6%。
したがってJevは完全に無作為に牌を切っているわけではなく、手を進める方向にある程度寄ることが確認できる。
これはゼロショットゲームAIとして面白いポイントである。麻雀専用学習なしでも、牌のつながりや手牌の完成方向に関する知識が何らかの形で利用されている可能性がある。
ただし不可解な打牌も多い
公開記事では例えば、
- 受け入れを狭める9萬切り
- 赤5索を捨てる
- 立直者の現物を切ればテンパイ維持できるのに、未通過の1萬を切って1シャンテンへ戻す
- 立直に対して比較的押し気味に打つ
といった例が挙げられている。
特に「安全にテンパイを維持できるのに危険な牌を切って手を戻す」例は、単純な牌効率だけでは説明できない。
この実験が測っているもの
この156局面は、1局をJevが最初から最後まで打ったものではない。元の牌譜から各局面を独立に取り出して判断させるoffline evaluationである。
そのため、
- 自分の過去の打牌方針との整合性
- 鳴き判断
- 立直判断
- 局全体の得失
- 半荘全体の順位戦略
までは直接測っていない。
それでも、「局面だけ見てどの牌を切るか」というzero-shot policyとして、ランダムより明確に牌効率方向へ寄るという結果は興味深い。
次に測るなら
麻雀でJevの強さをより直接測るなら、
- 実対局を最後まで進める
- 和了率、放銃率、平均打点、順位、収支を測る
- Mortal等と大量対局する
- シャンテン、受け入れ、安全度をどこまでコード側で与えるかを分離する
- argmaxと確率samplingを比較する
といった評価が必要になる。
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