CH32のEthernet内蔵はV208/V307/V317で意味が違う
CH32を理解するためのノート群 のEthernet系比較。
事実
WCHのCH32系にはEthernetを持つ製品が複数あるが、内蔵内容は同じではない。
- CH32V208: 10M Ethernet MAC+PHYを内蔵。BLE 5.3、USB Full-Speed、CANも統合する。
- CH32V307: 1G Ethernet MACと10M PHYを持つ。Gigabitを使う場合は外部PHYが必要になる。
- CH32V317: 10/100M Ethernet PHYを内蔵し、単チップで100BASE-TX側まで持っていける。USB 2.0 High-Speed PHYも内蔵する。
WCHの公式製品一覧では、V307を「1G MAC+10M PHY」、V317を「10M/100M PHY」と明確に分けている。
考察
「Ethernet付きMCU」という属性だけで選ぶと誤りやすい。
V208は10Mbpsで十分な設備・IoT用途に向き、BLEとEthernetを同じチップへ載せられる点が大きい。
V307は外部Gigabit PHYを使う余地を残しつつ、簡易用途では内蔵10M PHYも使えるという構成である。
V317は外部PHYなしで100Mbps Ethernetを出したい場合の部品点数削減効果が大きい。
したがって比較軸はCPU速度ではなく、
- 10Mで足りるか
- 100Mが必要か
- 1G MACだけ必要か
- 外部PHYを置きたいか
になる。
設計上の示唆
内蔵PHYはBOM削減に効くが、RJ45、magnetics、ESD保護などEthernet物理層に必要な外部部品がすべて消えるわけではない。
また高速EthernetほどPCB配線条件が厳しくなるので、「PHY内蔵=基板が何でも簡単」ではない。