CH32M030を140W USB-C PD受電器に使うとモーターMCUという分類が崩れる
CH32M007/M030/M103はMCUより「モーター・電力制御SoC」に近い の実使用例。
事実
立創開源平台にはCH32M030を使った140W USB-C PD受電ツールが公開されている。
公開仕様では、
- 5V〜28V
- 最大5A
- 最大140W
- FIX/PPS/EPR/AVS
- Web経由で電圧・電流設定
- 過電圧/過電流/過温保護
を持つ。
設計者はCH32M030を選んだ理由として、
- 5〜28V対応の内蔵高電圧LDO
- Type-C/PD機能
- USB device機能
- 高電圧I/O/電源path制御
- differential current sensingに使える内蔵OPA
を挙げている。
Type-C VBUSからM030自身へ直接給電し、外付け高電圧LDOを省く構成として説明されている。
考察
M030は「モーター制御MCU」という製品分類だけで見ると、この用途が見えにくい。
実際には、
- 高電圧電源
- MOSFET制御
- 電流計測
- USB
- USB PD
をまとめたpower-control SoCに近い。
モーターもUSB-C電源も、最終的には「MOSFETを安全に駆動し、電流/電圧を測り、protocolで制御する」という共通要素を持つ。
そのためWCHがモーター用に統合した機能が、電源装置にもそのまま刺さる。
これはCH32は「安いRISC-V」ではなく周辺IPを飲み込むMCU群として見ると分かりやすいで述べた「用途別IPの組み合わせ」が、想定外の用途にも展開できる例である。
注意点
公開設計者自身も、製品化では専用PD sink controllerを選ぶ判断があり得ると述べている。
高集積MCU一個で実現できることと、安全規格・量産・認証を含めて最適であることは別である。
140W EPR級ではconnector、cable、MOSFET、thermal、fault handlingまで含む設計が必要になる。